前回「【英語習得①】はじめに」では、2つのメッセージをお伝えしました。
- 「英語をできる」ようになるには、具体的に自分が何をもって「できる」と言えるのかをしっかり決め、具体的な目標を立てる
- これからの社会において、英語習得は超重要である
今回は、英語習得をする上で重要な「マインドセット=考え方」についてお伝えしたいと思います。
特に、英語習得に挑戦する際、「持ってはいけないマインドセット」についてお話しします。
英語習得を邪魔するマインドセットを封印せよ!
ところで、みなさんは「言語間距離(Linguistic Distance)」という言葉を聞いたことありますか?
言語間距離とは、文法・発音・語順・文字などを指標にした際、ある言語が別のある言語と比べ、どのくらい違うのかというものを表すコンセプトです。
その距離が離れていれば、離れているほど、習得の難易度が高くなると言われています。
下の指標だと、日本語がどれだけ他の言語や英語と「距離的に離れているか」がわかりますね。
そうなんです。実は日本語と英語は「言語間距離」において、非常に遠い言語なんです。
日本人にとって、ただでさえ難易度の高い英語ですが、しっかり習得している日本人も多くいます。そのコツはなんでしょう。
僕の答えは、「英語習得を邪魔するマインドセットを、封印する」というものです。
僕は今まで、色々な国の人たちと、英語で会話をしてきて、思ったことが一つあります。
完璧主義が社会に根強く存在する国の人ほど、「英語ができない」と言う人が多いということ。
日本人は昔から「細部までのこだわり」「完璧が素晴らしい」「不完全はダメ(詰めが甘い)」などと教わってきています。そのため、我々はこの「完璧主義」傾向が強い民族です。
「完璧」を目指すのは素晴らしいこと。
ただ、日本人にとって美徳であるこのマインドセットが、自分が不慣れなこと、そして「完璧というものが存在しない」ことに挑戦するとき、大きな邪魔をすることになるのです。
封印するべきマインドセット1:「完璧主義」
そもそも「完璧な英語」とはなんでしょう?
僕は「完璧な日本語」が存在しないように、「完璧な英語」というものは存在しないと思っています。
もちろん、文法的により正しい文章や、そのシーンにおいてより適切な表現は存在します。
でも、言語において「完璧」は存在しないのです。
ネイティブな日本人でも、職場やプライベートで「完璧な日本語」を使っている人はほぼいませんよね。
同じように、英語を使っているほとんどの人(第二言語で英語を使う人はもちろん、ネイティブでさえも)は、「完璧な英語」など使っていません。
実際、僕がいたオーストラリアの大学や、今の大学で、英語ネイティブの学生が提出するレポートに対し、「書き方・伝え方」の項目で、点数を引くことも多くありました。
英語習得に必要なマインドセットは、「完璧な英語」を目指すのではなく、「自分の伝えたいことを、どれだけ相手にわかりやすく伝えられるようになれるか」を目指すことです。
言語とは、相手に自分の思っていることを伝える「ツール」であり、しっかり伝われば、それが完璧であろうとなかろうと、その役目を果たすのです。
封印するべきマインドセット2:「不完全=恥ずかしい」
2つ目は、1つ目のマインドセットから生まれるもので、「不完全=恥ずかしい」というマインドセットです。
「完璧じゃない=みっともない・恥ずかしい」というマインドセットが、言語習得を限りなく遅らせます。
なぜなら、この「恥ずかしい」というマインドセットは、言語習得には必須である「アウトプットをして人に伝える」という練習を阻害するからです。
誰もが「自分が恥ずかしい」と思うことを、人の前でしたいと思いませんよね。
実は、僕もこのマインドセットを持っていました。でも、カナダ人の友人やオーストラリア人の友人にこう言われました。
“Who cares?”(そんなこと誰が気にするんだよ?)
そうなんです。できないことをネガティブに思うのは、本人だけなんです。会話の相手は、そんなこと気にしていません。
発音に日本人訛りがある。文法が正しいかわからない。単語のチョイスが正しいかわからない。間違っていたら恥ずかしい。だから書かない・喋らない。
そうではなく、ここで持つべきマインドセットは「できなくて当たり前。だからこそ少しでも練習し、ステップアップしていこう」というものです。
まずは、相手に自分の考えを伝えようとしてみてください。
それが伝わらなかったら、どうすれば伝わるようになるか。伝わっていたら、よりわかりやすく伝えるためにはどうしたらいいか。を考えればいいだけです。
できないのは当たり前。だからこそ実践を積んで、自分の思いが相手に伝わりやすくなるように、伝え方を改善していく。
このマインドセットが英語習得には不可欠です。
まとめ
今日は、英語習得のために、封印するべきマインドセットについて、2つお話ししてきました。
言語習得においては、完璧主義を封印すること。
そして、できないことを恥ずかしいと思う気持ちを封印すること。
この二つのマインドセットを封印することができたら、言語習得に怖いものはありません。
あとは、ひたすら練習を続け、振り返りをしながら、一つ一つ改善していけばいいだけです。
僕も完璧な英語はしゃべっていません。でも、プロフェッショナルな世界でやっています。
皆さんも、この「英語習得を邪魔するマインドセット」を封印し、習得を目指してやっていきましょう!