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【英語習得③】「試験のための英語」から「実際に使える英語」へ

このシリーズもいよいよ3回目になってきました!

今回は、シリーズ【英語習得】にて、次回から始まる「実践編」の前に、「これだけは伝えておきたい!」ということを、もう一つだけお話しします。

前回の【英語習得②】も、今回の記事も、英語習得を成功へ導くために、必要な「基本的考え方」です。

To Do・Action Planだけを増やしても、「基本的考え方」を抑えておかないと、結局は効率が悪くなり、成功まで辿り着けません。

今回は「試験のための英語」と「実際に使える英語」の違い、そして「実際に使える英語」を習得するために念頭においておくべきことについてお話しします。

では、初めていきましょう!

「試験のための英語」vs.「実際に使える英語」

世の中には、英語能力を測定する「試験」が、たくさんあります。

日本人にメジャーなものとしては、英検、TOEIC、TOEFL、IELTSなどがあるでしょうか。

これらの試験は「今、自分がどのくらい英語力があるのか」を調べる指標として使われます。

また、英語圏の大学に入学する際、TOEFLやIELTSで一定以上のスコアが必要とされますし、日本の企業でもTOEICにて一定のスコアを持っていることは、昇進・昇給などプラスに働くようです。

僕も中学・高校の時に英検、カナダにいるときにTOEFL、オーストラリアにいるときにIELTSを受けました。

ただ、本当の意味での「英語習得」を目指す方には、覚えておいてほしいことが一つあります。

これらの「試験のために学習する英語」と、「実社会で使える英語」には大きなギャップがあるということ。

必ずしも「TOEICで満点を取れる人」=「プロの現場で英語をフル活用できる人」ではないのです。

そして満点とっている多くの人が、これをよく理解しているはずです。

もちろん、満点を取っている人の中にも、プロの現場で英語をフル活用できている人はたくさんいます。

一方で、かなりの人が、実際は英語をうまく使えていない現状もあるのです。

僕自身、似たような経験しました。

12年以上前のことです。オーストラリアの大学院に入るため、必要なIELTSのスコアを取りました。そのスコアを取れば、大学生活において英語に苦労せず過ごせると思っていました。

しかし、実際入学してみると、先生が講義で言っていることがわからない!

山のように出される宿題や課題に忙殺されるし、最初の学期は、正直ついていけませんでした・・・。

この経験からも「試験で点数とること」と、「実際に英語を使えること」には大きなギャップがあるということを知りました。

では、なぜこのギャップは存在するのでしょう?

ギャップ」はどこから生まれるのか?

僕はカナダの語学学校でTOEFL訓練コース、オーストラリアの大学院に入る前にIELTS訓練コースを取りました。

そこでは、主に以下のことを教わりました。

  • 試験に出る単語
  • 試験に出る文法
  • 試験に出るような問題
  • 試験に出る問題の解き方

もう少し噛み砕くと、以下のようなことを教わります。

  • 試験ではこういう単語・文法問題が出るから覚えておいてね!
  • こういったタイプの問題では、この手順で追っていけば、必要な答えが見つかりやすいから、覚えておいてね!

これは、店頭で売っている「これさえ覚えれば、TOEICで高得点が取れる!」とうたう「How To 本」などでも同じことです。

これらのコースや本の目的は、受講者や読者が、試験で正解を取りやすくするための「戦略」を教えることです。この目的・内容自体には何の問題ありません。

しかし、ここで覚えておいてほしいことがあります。

これらは全て「覚える=暗記する」ための英語の要素が強く、「こういうのが出題されるからね〜」という「前提」が必ずあります

では、実社会ではどうでしょう?

我々の日常で「こういう英語・単語が出るからね〜」というのがわかっている環境は、どのくらいあるでしょう?

その時の状況、話す人の特徴(文化背景など含む)によって、話す内容や単語のチョイスはだいぶ変わってきます。

また、実社会で、試験のリスニングで出題されるような(あたかもアナウンサーがしゃべるような)「綺麗な英語」はほぼ聞くことはありません。

僕の大学では、あらゆる国の人が、あらゆるアクセントで、しゃべりまくっています。英語ネイティブの同僚もいますが、試験で出るような綺麗な英語を聞くことがほぼ無いのが現実です。オーストラリアにいた時も同様でした。

(他にもいくつか違いがありますが)結果、「試験に出る英語」と「実社会で使える=ツールとして使える英語には、大きなギャップが生まれるのです。

では、どうすれば「本当の意味」で、英語が使えるようになるのか?

「試験のための英語」から「実際に使える英語」にするために

英語の試験のために勉強をすることが、無駄と言ってるわけではありません。

それらの試験勉強は、大きな意味があるし、英語習得へは重要と思っています。

「使えるように=応用できるように」なるには、「基礎」をしっかり作らなくてはいけない。その意味でも、ある程度単語や文法を「覚える=暗記する」ということは必須です。

僕自身、語学学校でIELTSを8週間勉強していたとき、学校にあった全ての問題集を、3回ずつ解きながら、徹底して「覚え」ました。当時1日14時間、週6日くらいIELTSのために勉強していたと思います。

その語学学校には、かなりの数のIELTSのテキスト・問題集があったのですが、当時の担当の先生にも「今までここまでやったやつはいない。お前はクレイジーだ。」って何度も言われました。今思い返しても、確かに異常でした。

それでも、「試験のための勉強」のみでは、大学院の講義に最初ついていけませんでした。

それでは、僕はどうやって英語を「使える英語」にしたのか。

僕の場合、「試験のための英語」を「実際に使える英語」にしたのは、試験の後に行った数々の訓練が大きかったように思います(これは「実践編」でお話しします)

つまり、本当の意味で英語習得を目指す場合、試験勉強だけでは不十分。試験で、ある程度の点数をとった後、何をするかが鍵になってくるということです。

しかしながら、僕の周りでは「試験での高得点獲得」のみをゴールにする人が多く、「試験後に何をするか」(もしくは「試験以外で何をするか」)までしっかり考えていない人が、たくさんいます。

それでは、いつになっても「実際に使える英語」の習得には結びつきません。

本当の意味で英語習得を目指す場合、英語試験での高得点を、「最終ゴール」にするのはやめましょうあくまでも、試験は「中継地点」であり、その先に「本当のゴール」を設定してください。

ここで重要になってくるのが、【英語習得①】でお伝えした「自分にとって『英語ができる』というのはどういうことを指すのか」という目標設定です。

今までの話をまとめると、英語習得を目指すには・・・

  1. まず、試験で目指す得点を取るため、しっかり基礎の「覚える英語」を身につける
  2. その後、「試験のための英語」から「実際に使える英語」への変換をしていく

本当の意味での英語習得を目指す方は、この「2段階アプローチ」を念頭に置き、挑戦していただけたらと思います。

❶と❷を同時にしていくことも可能です。しかし、日々忙しい中で、まとまった時間を英語勉強のみに費やすということも難しいと思うので、2段階の方が効率的かなと思っています。

さいごに

今回は「試験のための英語」と「実際に使える英語」の違い、そして「実際に使える英語」を習得するために念頭においておくべきことについてお話しました。

いつもの記事と同じように、これらは僕が実体験から学んだ主観です。

読んでる方の中には、同意されない方もいると思います。実際、最近のTOEICなどでは暗記問題だけではなく、少々考えさせられる問題も増えてきているようですし。

それでも、僕は「試験のための英語」と「実際に使える英語」にはまだまだギャップがあると思っています。

そして、いつか「試験のために勉強する英語」がそのまま「実社会で使える英語」になるといいなぁと願っています。

これまでいくつか英語習得のための「基礎的考え方」をお伝えしてきましたが、伝えきれていないことがまだいくつかあります。

しかし、頭でっかちばかりになってもいけないので、このシリーズ、次回からは僕が行ってきた例を「実践編」として紹介したいと思います。

その後、機会があれば、「追記」としてお伝えしきれていない考え方を、お伝えできればと思います。

今回も少し長くなりましたが、読んでいただき、ありがとうございます!

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