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【英語習得 実践編③】リスニング・スピーキング編

はじめに

もう5月になり、本当に生命力みなぎる新緑の季節ですね!

今日は【英語習得 実践編②】でお話しした「2カテゴリー勉強法」の考え方をもとに、Listening & Speakingスキルの向上方法を、僕が実際に行った例とともにご紹介します。

人それぞれ好む勉強法・置かれた環境があると思うので、必ずしも僕のご紹介する方法がベストではないですが、あくまでも自分の勉強法を確立するための「ヒント」になればと思います!

Listening & Speaking向上Tips

その1: 自分が理解できる「少し上」のレベルの英語から聞き始める

人の脳は何かを聞いた時、聞いた内容のうちある程度(例えば70%以上)を理解していないと、「理解不能」と感じるらしいのです。

母語だったとしても、全くわからない内容(例えば、科学や物理学の専門的知識など)を聞いたとき、同じ現象を体験しますよね。

まずはある程度(70%くらい)理解できるものから始めていき、残りのわからない「30%」の部分を減らしていく。

やがて、それに関しては100%わかるようになるので、また新しく70%理解でき、30%理解できないものを探して、100%理解できるようにしていく。

僕はこの繰り返しにより、「聞き取れる範囲」を増やしていきました。

そもそも、「言語を聞いて理解できるようになる」という作業は、「点と点を線にしていく作業」だと思っています。

この場合、「点」は自分が聞き取れる・理解できる文章の部分

そして、「線」はその聞き取れる・理解できる部分が繋がった状態。

例えば、英語を聞き慣れていない人が、”This is so embarrassing. I just want to go home!”という文章を聞いたら、こう聞こえるかもしれません。

“This is so ___ I ___ want ___ go home!”

それでも70%の「点」がわかっている状態であれば、わからない場所の30%を理解できるようにし、「線」として理解できるようにしていくのです。

聞き取りの理解度は、その人によってバラバラだと思うので、自分に合ったリソースを選んで、練習していくといいでしょう。

また、【英語習得 実践編①】でもあげたように、いくらでもフリーのリソースはあります。Podcast, Audiobook, YouTube, Movie, App自分に合ったものを見繕ってみてください。

ちなみに、僕の場合は、以下を使いました。

  • TOEFLやIELTSのリスニングCD
  • 寝る前のラジオ(子供番組から始め、普通のチャンネルへ)
  • 字幕なしでの映画やドラマ(アニメ用から始め、普通の映画へ)
  • オーディオ・ブック(当時は数が少なかったのですが、現地の図書館で借りたりしていました)

どうしても話者が何を言っているのかがわからない場合、最初のうちは「答え」(TOEFLやIELTS の読まれている文章、字幕、オーディオブックの本文など)を見ても確認しても良いでしょう。

ただ、自分で「英語少しわかるようになってきた」と思ったタイミングで、それをやめてください。

僕の経験上、字幕があるとそれを目で追うので一杯一杯になり、結局「聞く」という行為が疎かになるためリスニング力が伸びないのです。

また、日常の会話で、話者が一言一句何を言ったのか、答え合わせができることなんてほぼありません。

その2:  わからない単語を調べ、そのセンテンスごと書きだし大声で真似して発音する(10回)

上記の「その1」を進めていくと、「わからない単語」というものが出てきます。

この「わからない単語」をそのセンテンスごと書き出し、大声で真似して発音してみましょう。

この場合、小学校や中学校などで習った、単語だけを書き出す方法はやめてください。

これをしてしまうと、「単語のみ」は覚えても、それを「どのような文脈でどう使うか」を理解できないからです。

必ず、わからない単語が出てきた文全てをそのまま書き写してください。

次に、この文章を大声で10回発声してください

文章を書き出すだけでいいのは、Writingのスキルアップをするときだけです。今回はListeningのスキルアップを目指しているので、発声し、自分の脳に音と舌の動き(運動神経の動き)を覚えさせることで忘れにくくなります。

その3:  その覚えた単語を用い、普段自分が使いそうな別センテンスを作って発音する!(3文)

新しい単語と文章(文脈)を覚えたら、今度はその単語を別の文脈で使えるようにします。

ここでは、その単語を用い、自分の生活で使うであろう「似たような文章」を3つ作り、発声します。

最初のうち紙に書き出してもいいですが、慣れてきたら紙に書かずに頭の中で文章を3つ作り、それを10回ずつ発声してみましょう。

というのは、「紙に書き出してそれを読む」だけをしていると、「書いてあるものを読む」ことに集中し、「頭の中で文を構成し、話す」という練習が疎かになるからです。

普段日本語を話すとき、毎回紙に書いて、それを覚え、話すということはしてませんよね?

我々は、頭の中で考えていることを言語化し、それを相手に向けて発声していると思います。

一緒です。

その4:発音を矯正する!

英語の発音を綺麗にしたい人は、自分の声がリアルタイムでイヤホンから聞こえる環境を作り、発声の練習をすると効果的です。

英語がペラペラな人でも、発音がめちゃくちゃ「日本語訛り」の人がいますよね。その国の「訛り」は個性なので、何も問題ないですし、尊重されるべきものです。

しかし、英語を勉強している方の中には「もっとネイティブみたいに綺麗にしゃべりたい」という人もいると思います。

その方にはこの「自分の発音を聞き、発音を矯正していくという方法」がおすすめです。

僕が10年以上前に行った方法としては、元々MacBookに入っていた無料作曲ソフトのGarageBandで、「マイク」を立ち上げ、自分の声がイヤホンからリアルタイムで聞こえるようにしました。

そして、IELTSの教科書に載っていたリスニング・セクションの本文を丁寧に読み、いかに自分の発音がCDと違うのかをチェックしながら、発音を矯正していきました。

日本語と英語では、「舌と顔の筋肉」を動かす度合いが全く違います。英語は日本語の何倍も「舌と顔の筋肉」を使います。

発音矯正の練習をすることで、「その音」を出すためには、どのように「舌と顔の筋肉を動かすのか」を徹底的に体に覚えさせるのです。

自分の声に聞き慣れていない方は、最初のうち抵抗があると思います。でも、発音を一つ一つ矯正していくには、これが一番手っ取り早い方法だと思いました。

「まずは己を知る、そして目指すものへと近づけていく」方法です。

10年以上前にこの方法ができたので、今ならもっと色々な方法で自分の声をリアルタイムで聞き、発声の練習をする方法があると思います。

発音矯正に興味がある方は、ぜひ探してみてください。

その5:とにかく覚えたことを使う!使う!使う!

ここまできたら、あとは練習あるのみです。

練習方法には様々ありますが、僕が実際に行った中で、お勧めするのは以下の3つです

1. SiriAlexaなどを使い、及第点のセンテンス・発音正確度をチェックする

携帯電話などについているAI機能を使い、英語で指示を出してみる。

最近のSiriは発音・文法が大体合ってたら認識してくれます。

日々の「個人練習」として、SiriやAlexaに自分の使った単語などを使いながら、英語で話しかけてみるといいでしょう。

例えば、上に挙げた例で、Embarrassingという単語を覚えたら、以下のようなことをSiriに言って、どう反応するかみてみるのもいいでしょう。

What does “embarrassing” mean?

How to use “embarrassing” in a sentence?

I am so embarrassed!

2. 英語で話せる日本人以外の人と電話をする(ビデオ電話NG

最近はビデオチャットやテレビ電話が当たり前の時代になりましたが、あえて「音声のみ」で日本人が通じない友人と英語で会話をしてみるといいでしょう。

音声のみで相手に自分の考えを伝えるのは、直接会って伝えたり、テレビ電話のような「視覚情報をありき」で伝えるより、ずっと難しいですよね。

だからこそ、英語を喋れるようになるための練習になるのです。

この練習は、英語特有の「ロジカルに伝える」というスキルを磨く練習にもなります。

僕も、英語を勉強していたカナダ留学時、無料で使える電話サービスがあったので、日本語の通じない友人と毎日10分くらい電話をし、練習していました。

3. 人前で英語で話さなくてはいけない状況・機会を作る

上記の2つで練習をしたら、最後は「人前(数人)で英語を話す」ことに挑戦してください。

この場合、聞き手が数人いるので、相手が理解できるくらいの声量・発音の綺麗さ・ロジックを考え、話さないといけません。

声が小さかったり、発音がわかりづらかったり、ロジックが通ってないと、聞き手は理解してくれません。

僕はオーストラリアで修士号を学んでいた際、Tourism Student Associationの代表を1年間していたので、そこで話す機会を多く作りました。

最初は頭真っ白になるかもしれませんが、練習を繰り返していくことで、声をどのくらい出せばいいか、発音はどうすればいいか、そしてロジカルに話すにはどうすればいいか。これらを体に叩き込むことができます。

ハードルが高いように聞こえますが、これが一番効率的に英語力を向上する方法です。

さいごに

今回の記事はだいぶ長くなりました。

最初は2回に分けようかとも思ったのですが、1つにまとまっていた方が皆さんも理解しやすいかなと思い、迷いに迷った結果、一つの記事として書かせていただきました。

次回のこのシリーズでは、Reading & Writingに関してお話していきたいと思います。

英語を勉強している皆さんは、今日も英語力向上!頑張っていきましょう!

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