毎日長時間労働や仕事のプレッシャーに押しつぶされそうになっていませんか?
どうすれば毎日のストレスフルな環境の中、小さな楽しみや幸せを感じられるのか。
どうすれば疲れ切って週末を迎えずに、充実した余暇や週末を迎えれるのか。
その答えが「緩急をつける働き方」に隠されています。
今回は「忙しい時はしっかり働き、休む時はしっかり休む」という当たり前だけど、日本で働く人のほとんどができていない「緩急をつける働き方の重要性」と、どうすれば緩急をつける働き方ができるのかの「アクションプラン」についてお話ししたいと思います。
ストレスフルな労働環境において、「緩急をつけて働く」ことは、精神的および身体的健康を維持するために非常に重要です。
特に日本のように長時間労働が文化的に根強い場所では、この緩急のバランスを取ることが、仕事のパフォーマンス向上だけではなく、私たちの健康と幸福に直結しています。
研究に基づくエビデンス
まず、「緩急をつけて働くことの重要性」は、多くの心理学的および生理学的研究によって支持されています。
たとえば、あるハーバード大学の研究によると、仕事の間に短時間の休息を取ることで、人の集中力が回復し、作業効率が顕著に向上することが確認されています。
また、とあるスタンフォード大学の研究では、長時間連続して働くことの生産性の低下が示されており、労働時間と成果の間には必ずしも正の相関があるわけではないことが明らかにされています。
さらに、我々日本での研究では、適度な休息と仕事の区切りが明確な人は、メンタルヘルスが改善されることが示されています。
特に、労働後に「スイッチオフ」できる時間を持つことで、心理的ウェルビーイングが高まり、職場でのストレス耐性が向上することが報告されています。
これらの研究から分かることは2点です。
「時間がないから休みを取らない」という働き方は多くの負の結果を招く。
「休みを取ること」が仕事だけではなく、毎日の生活を充実させるものになる。
緩急をつけない生活の負の影響
では、緩急をつけない働き方を続けるとどうなるのか。
緩急をつけない生活、すなわち常に「オン」の状態で生活を送ると、多くの負の健康影響が引き起こされる可能性があるとされています。
例えば、「オン」の状態で働き続けることにより発生する「慢性的なストレス」は、不安障害、うつ病、さらには心臓病や高血圧などの身体的疾患を誘発することが知られています。
そんな慢性的な疲労は、免疫系を弱体化させ、病気にかかりやすくなるとともに、全体的な生活の質を低下させることがあります。
僕の経験から一つお話しします。
僕は若い時、色々なことに緊張する性格で、特に国内外の出張に行く時はすごく緊張していました。
今までお会いしたことのない社会的に地位の高い方々とお会いしたり、(言葉の通じない)行ったことのない場所で何かを成し遂げないといけない状況も多々ありました。
そんな中でかかっていたのが過度のストレスです。
それらの出張は平均4〜5日間と短期のものばかりでしたが、自宅に帰ってきてから必ずと言っていいほど風邪をひいたり、病気になったりしていました。
今となっては多くの経験を積んだので、そういったことは無くなりましたが、当時は緊張状態からの免疫力低下、そして病気にかかるというサイクルがよくありました。
また、仕事と休息の適切なバランスを欠く生活は、個人の仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
疲労が蓄積されることで注意力が低下し、作業中のミスが増えるようになります。
それによって責任感の強い人は、特に自分を責めるようになります。
また、その状態が続くことで、心理的にも身体的にも消耗し切ってしまうため、バーンアウトに至るリスクも高まります。
これらの点を踏まえると、仕事とプライベートの両方を使い緩急をつけた生活をすることが、単に生産性を高めるためだけでなく、長期的な健康と幸福を維持するためにも非常に重要と言えます。
具体的な実践方法
それでは、どんな方法で「緩急をつけた働き方」をしていけばいいのか。
一つ注意点として、今からお話する内容は、あくまでも「理想的な方法」です。
実行可能どうかは業種によっても違うでしょうし、立場によっても違うと思うので、参考までに頭に入れておいてもらえればと思います。
1.仕事時間と仕事外の時間で緩急をつける
まず、1日の「仕事時間」と「仕事外の時間」で緩急をつけましょう。
そのためにも職場での仕事を定時に終えることを徹底しましょう。
最近ようやく「ウェルビーイング」という言葉が浸透してきたの日本では、ようやく定時で帰宅するルールを作る企業が増えてきました。
時には大きな仕事の締め切りが近く、定時で帰れなかったり、持ち帰って仕事をすることもあるかもしれません。
でも、残業をして追い込んだ仕事をするのは期間を限定して行った方がいいでしょう。
これが慢性的に続いてしまうと、「緩急をつけた仕事」ではなく、「急」しかない仕事生活になってしまい、先ほどお伝えしたような仕事でのミスや健康問題を抱えるようになります。
僕も「もう少し!キリのいいところまで!」と考えがちですが、そこは超緊急ではない限りあえてキリの悪いところでやめています(逆に中途半なところでやめておくと、次の日スタートダッシュがかけやすいという心理的効果もあるので)
また、可能であれば、仕事終了後はスマートフォンやコンピュータの通知をオフに設定し、仕事関連の連絡から距離を置く時間を作りましょう。
業種によっては難しい業種もあるかと思いますが、僕はこれを基本としています。
僕の場合、そもそもケータイで仕事のメール通知が来ない設定にしています。
そして、基本的に仕事が終わってからや週末に仕事のメールを開くことはありません。
それは何よりも「オフの時間のクオリティがオンの時間のクオリティを決める」ということを経験から知ったからです。
仕事のメールなどをオフにして、自分の時間というものを確保する。
そしてそこに自分の好きな活動を入れていくことで、心と体のスイッチをオフにすることが重要なのです。
最初はソワソワしますが、慣れるとそのソワソワよりも多くのメリットがあることに気づくでしょう。
2. 仕事中と休憩中で緩急をつける
緩急は仕事中と仕事後だけではなく、「仕事中」にも入れることができます。
そもそもみなさん、仕事中にどのくらい休憩を入れていますか?
なかなか仕事の合間に休憩を入れることが難しい業種もありますが、この小休憩を作って仕事中に緩急をつけるのも非常に大事です
英語でこの小休憩のことを「マイクロ・ブレイク」とも言います。
この小休憩中ですが、何も難しいことはしなくていいのです。
5分間のストレッチを行ったり、少し遠くのトイレまで歩いてみたり、オフィスの窓から外を眺めてみたり。
接客などをしており、小休憩を取るのが難しい職種の方は、せめてランチ休憩を充実させましょう。
職場の休憩室で過ごすのではなく、少し外に出て歩いてみる。
公園があれば、そこでランチを食べてみる。
そういった野外や自然の中でオフの時間を作ってみることで、ランチ後のパフォーマンスがだいぶ変わってきます。
3.平日と休日で緩急をつける
最後に、「平日」と「(週末などの)仕事が休みの日」で緩急をつけましょう。
ここでは完全に仕事から離れることを心がけましょう。
平日の間忙殺されて、週末になったら何も考えられずに昼まで寝ているということはありませんか?
この生活習慣は精神的にも肉体的にもマイナスの効果を産むことが研究から報告されています。
そこから脱却する方法として、事前に週末の計画を立て、リラクゼーションや趣味に時間を割り当ててみましょう。
例えば、キャンプに出かける、映画を一日かけて数本観る、料理やガーデニングなど自分の好きなことに没頭する日を設けることで、心身ともにリフレッシュできます。
それを「週末が来たら」ではなく、仕事のスケジュール管理のように「前もって」入れておきましょう。
そして、週末の楽しみを考えながら平日頑張る。
これが緩急をつけた働き方です。
まとめてみましょう。我々は、3つのアプローチで「緩急をつけた働き方」ができます。
- 「仕事時間」と 「仕事外の時間」での緩急
- 「仕事日の中」での緩急
- 「平日」と「休みの日(週末など)」での緩急
今回ご紹介したようなアクションプランを実施することで、緩急をつけた働き方が可能となります。
職種によってできることできないことがあるかもしれませんが、自分に合った方法を探してみてください。
そのあなた独自の方法が、日々の生活の中であなたの仕事の生産性を高め、健康と幸福を維持していく方法となっていくはずです。
まとめ
今回は、「緩急をつけて働く」ことの重要性と具体的なアクションプランについてご紹介しました。
これらの方法を実践することで、仕事の効率も向上し、プライベートの時間もより充実するはずです。
緩急をつけた生活が実現できれば、より良いバランスのとれたライフスタイルを築くことができるようになるでしょう。
次回も、皆さんの生活がより良いものになる情報をお届けします。
それでは、またお会いしましょう!
Stay Healthy! Live Better!
ほんでまず!